I WAS THERE

好きなことを好きなように。旅と読書が好きなIT企業のサラリーマン。

観てはいけないものを観た気持ちになった話

トラウマになるレベルの映画だと、私の周りではそういう評判が多かったミッドサマー。

プロモーションビデオがもうすでに気味悪い。

グロくて生々しいシーンがたくさんあるんだろうと、身構えて観てきました。

 

ホラーでもあるし、カルト映画でもあるんだけど、なんかそれだけじゃなさそうな映画でした。(浅い)

観終わった後に思い出しながら妻とは、絵画やセリフの中に伏線がかなり張り巡らされていて、細部にもすごくこだわっていて、ただ多くは語られないので、一見すると狂気の沙汰みたいな映画なんだけど、偏った見方をすれば恋愛映画にも取れるし、家族をテーマにした映画にも捉えられるねという話を。

どんな恋愛映画だよと妻には一蹴されました。

 

ペレがみんなを祭典に呼び出した「主犯」ではあるんだけど、自分の友人に何が起きても微動だにせず、何も語らず、淡々と事を進めるサイコパスっぷりが今回一番恐怖を感じたというところは意見が一致した。

 

集団の偉いおじさんみたいな人のセリフにもあるんだけど、始めからペレが友達たちを生贄にして、ダニーを女王に仕立て上げるために連れ出したとしたら、ダニーの家族を殺害したのもペレなのか?とか、結論付けられていないから観終わった後に考察するのがかなり楽しいストーリーでもあった。

 

家族の死から、極度の不安や悲しみ、喪失感と落胆を覚え込ませ、更には彼氏からの裏切りをも仕向けられ、頼るものを一切合切を失わせる。最後はダニーがニヤリと不敵な笑みを浮かべて映画は終わるのだが、一度死んだも同然と化した彼女が生きる意味を見つけたかのようなラストシーンは一人の人間の人生の中での生まれ変わりと、ヘルシングランドでの生と死のサイクルによる儀式とがリンクしていて(たぶん)、感動しを覚えた。

 

すべて民族とペレの思惑通りなんだけど、これが人をカルトにのめり込ませる一つの正解を見たような気がして、今日は疲労困憊である。